晴れとくりえいてぃぶ

好き勝手やってる感じのアレ

アイドルは人を元気にする

 

 

idol [アイドル] -- 偶像、聖像、偶像神、邪神、崇拝される人(もの)

 

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現在日本でそう呼ばれている、見た目が良く歌ったり踊ったりして世間の人たちに元気を与えている人たちのことを「アイドル」と呼ぶとは、うまく言ったものだな、と思う。

でも、私にとってのアイドルは、いま世間一般でそう呼ばれているひとたちだけではない。

 

私にとってのアイドルひとりめ。

中学校の時にハマった漫画の、その中にでてくるキャラをとても好きになった。それはそれはもう、好きになった。一緒に暮らしたいほどに。今でも大好きだ。とてもとても好きで、夢に見るほど好きで、見ているとこころが甘酸っぱくきゅんと高鳴る気さえする。でも、私のアイドルはそのキャラじゃない。そのキャラの声を担当していた声優さんだった。

その声優さんはセクシーなキャラクターの声をよく担当している人で、声優としての歴も結構長い、超人気声優だ。そのキャラを足掛かりにして私はどんどんその声優さんにハマっていき、他の好きな作品にも出ていることを知り、新しいアニメで好きになったキャラの声もその人で驚いたり、その人が出ているからと見たアニメが自分にとって大切な作品になったりもした。好きな作品のイベントに行ったり、その声優さんを好きな仲間も増えたりとオタ活も捗っていった。その人のツイッターをフォローして人となりを少しだけだけど知ったり、その人が頑張っているからと自分も頑張ることができたり、いいことづくめだった。今でもその人が大好きだし、声を聴くと元気が湧いてくる。気分が明るくなって、頑張れる気がしてくる。おじさんと呼ばれるような年齢で顔が特別いいわけではないけれど、元気や幸せを与えてくれて、まさにアイドルだと思う。

 

私のアイドルふたりめ。

高校の頃の英語教師だ。私は中学生のころ、学校が嫌いで、先生というものも好きじゃなかった。小学生のころはまだ学校は好きだったと思うが、なぜかそのうち嫌いになっていた。学校が嫌いで先生も嫌いで、勉強する意欲も特になかった。しかし、高校二年生のときに新しく英語の担当になった教師のせいで私の人生は変わってしまった。その人の授業は毎回とてもおもしろくて、私はそのうちその授業だけ予習と復習をするようになった。高校二年生の1月のテストでは160人中118位だった英語の校内模試の順位が、4ヶ月後には27位になった。英検を受けるようになった。果てには、大学は英語を学べるところに進むことにした。私をここまで変えた人ははじめてだった。その人は賢くてユーモアがあって、どこか他人に興味がなさそうなのに人に優しくて、きっとやさしいひとではないけど優しい人だった。私はその人の視界に入りたくて、認めてほしくて、いつか超えたくて、高2の冬から高校生活が終わるまで、がむしゃらに英語を勉強していた。進路に悩んだとき、体調が悪くてどうしようもなく気分が落ち込んだとき、なにかあればいつも先生に相談をした。そのたびにその人は私にとって的確な言葉で欲しい答えをくれた。いつまでも超えられないかもしれないと思った。大学に進学して、もうほとんど連絡を取ることもなくなって私の意識を支配する割合はとても小さくなったけど、いまでも超えたいと思っているし、あの人に胸を張れる自分であるかどうかが判断基準になることがよくある。私の世界をおおきく変えた人で、私の世界を大きく広げた人。前を向かせてくれた人。一歩踏み出させてくれた人。その存在は、私にとってまごうことなきアイドルと呼べるものだった。

 

 

アイドルってすごいと思う。いま書いた二人のほかにも、世間一般でアイドルと呼ばれている人達の中に私のアイドルはいる。女の子のアイドルも男の子のアイドルも、二次元にも三次元にも私のアイドルがいる。アイドルってすごい。自分の中にそういう存在が一人いるだけでいろんなことが頑張れるし、気持ちは明るくなるし、身体の奥から元気が湧いてくる。アイドルって、もはやひとつの宗教だと思う。直接会うことがなくても、話すことがなくても生活に潤いをもたらしてくれる。アイドルって素晴らしい。アイドル大好き。みんなも自分の中のアイドル、つくりませんか。